哺乳類ロシア語辞典



これは,哺乳類学の用語やロシアの主要な哺乳類名の辞典ですが,古い文献を読む場合も想定し,旧ソ連領の哺乳類をとりあげ,また分布域についても旧ソ連領も含めています.
内容は,「現代ロシア語」誌1973年7月号〜1975年3月号に連載した「ソ連の哺乳類」と同じですが,間違いを訂正したり,多少記述を変更している場合があります.日本に生息していない種の中にはまだ和名がない種がおり,この場合には暫定的な名をつけています.

この辞典の使い方: 調べたい用語または哺乳類のロシア名の頭文字のアルファベットをクリックすると,その頭文字からはじまる用語または哺乳名のグループにジャンプします.「=」は「同種異名」を,「→」は「その右側の用語を参照」を意味します.

再配布や販売を目的としてこのホームページの内容を二次利用すること,商用に利用することを禁止します.

А〜ТУ,ФХЦ,ЧШ,ЩЭ,Ю,Я

トップページに戻る

А〜Т

「А〜Т」の部分は「鳥類・哺乳類ロシア語辞典」に移動しました.

У

уриал → азиатский муфлон

ушан,Plecotus auritus
ウサギコウモリ(翼手目ヒナコウモリ科).体長4〜5cmで,耳が非常に大きく3〜4cmもある.翼を開くと25cmくらい.体色は変化に富み,淡黄色から灰褐色まである.ヨーロッパ地方,カフカス,中央アジア,シベリア南部,極東南部に分布する.単独または小群で人家付近にすむ.日中は樹洞や屋根裏におり,日没後に飛び回り昆虫を食べる.6月頃に1子を産む.冬には樹洞や屋根裏で越冬する.日本にも生息する.

Ф

финвал = сльдяной кит

このページのトップに戻る

Х

харза,Martes flavigula
キエリテン(食肉目イタチ科).体長50〜80cm,尾は長く40cm前後.体は細く,背側は黄褐色,頭,四肢,尾は黒褐色,喉から胸にかけては黄色,腹側は淡黄色.極東南部の森林に生息する.おもに夜行性で,木登りがうまい.交尾期は6〜7月で,翌年5月に樹洞などで2〜3子を産む.シカやイノシシの子,ノウサギ,リス,ネスミ,小鳥,果実を食べる.

хаус = камышовый кот

хищиные,Carnivora
食肉目.歯には切歯,犬歯,前臼歯,臼歯があり,犬歯はよく発達する.多くの場合肉食であるが,一部雑食性.

хомяк
キヌゲネズミ類.キヌゲネズミ亜科(Cricetinae)のげっ歯類の総称であるが,一般にこの亜科のうち大型で体長20cm前後の種をхомяк,それ以外の小型の種をхомячокと称している.

хомяк Радде (= предкавказский хомяк,дагестанский хомяк),Mesocricetus raddei ラッデキヌゲネズミ

хомяк закавказский (= малоазийский хомяк),Mesocricetus brandti ブランドトキヌゲネズミ

хомяк обыкновенный,Cricetus cricetus
ヨーロッパハムスター(げっ歯目キヌゲネズミ科).体はずんぐりし,体長24〜32cm,尾は短い.体は黄褐色で,胸と腹は黒く,頚,肩,横腹に大きな白斑がある.ヨーロッパ地方南半分,カザフスタン,西シベリア南部の森林ステップ,ステップに生息する.4月から2〜3回,1回に7〜12子を産む.夜行性で,地下に坑道を造って生活する.植物の葉,茎,根,種子,小動物を食べ,秋には巣に食物を貯える.

хомякообразные,Cricetidae キヌゲネズミ科

хомячок → хомяк

хомячок барабинский (=даурский хомячок),Cricetulus barabensis ダウリアキヌゲネズミ

хомячок джунгарский,Phodopus sungorus アルタイキヌゲネズミ

хомячок длиннохвостый,Cricetulus longicaudatus オナガキヌゲネズミ

хомячок крысовидный,Cricetulus triton キヌゲネズミ

хомячок монгольский,Allocricetulus curtatus モンゴルキヌゲネズミ.この種がхомячок Эверсманнаの一亜種という見解がある.

хомячок мышевидный,Calomyscus bailwardi コキヌゲネズミ

хомячок Роборовского,Phodopus roborovskii ロボロフスキーキヌゲネズミ

хомячок серый,Cricetulus migratorius
ハイバラキヌゲネズミ(げっ歯目キヌゲネズミ科).体長10〜13cm.背側は暗灰色ないし灰褐色,腹側は淡色.ヨーロッパ地方の南半分,カザフスタン,西シベリア南部,中央アジアの森林ステップ,ステップ,半砂漠,砂漠に生息する.3〜4月から2〜3回,1回に7〜8子を産む.夜行性で,地下に坑道を造って生活する.分布域北部や高地では冬眠する.植物の葉,茎,根,種子,昆虫を食べ,秋には巣に食物を貯える.

хомячок Эверсманна,Allocricetulus eversmanni エヴェルスマンキヌゲネズミ → монгольский хомячок

хорёк степной (= светлый хорёк,степной хорь),Mustela eversmanni
ステップケナガイタチ(肉食目イタチ科).体長30〜50cm.体は黄褐色で,長毛の先端が黒く,四肢,胸,腹,尾の後半分,眼の周囲,額は黒褐色.ヨーロッパ地方の南半分,カザフスタン,中央アジア,シベリア南部に分布し,森林ステップ,ステップ,半砂漠に生息する.他の小動物の地下の巣穴を利用し,2〜3月に交尾し,4〜5月に7〜10子を産む.おもに夜行性で,ハタリス,ネズミ類を食べる.

хорёк чёрный (= лесной хорёк,чёрный хорь),Mustela putorius
ヨーロッパケナガイタチ(肉食目イタチ科).体長30〜46cm,尾は9〜13cm.体は黒褐色で,横腹はやや淡色.口の周囲,耳の付け根に白斑がある.ヨーロッパ地方中・南部,カフカス,の森林に生息し,人家に入ることもある.他の小動物の地下の巣穴を利用し,3〜4月に交尾し,4〜5月に4〜6子を産む.おもに夜行性で,ハタリス,ネズミ類,カエル,小鳥を食べる.

хорь степной = степной хорёк

хорь чёрный = чёрный хорёк

хохлач,Cystophora cristata ズキンアザラシ

このページのトップに戻る

Ц

цокор
モグラネズミ類.キヌゲネズミ科モグラネズミ属(Myospalax)のげっ歯類の総称.体はずんぐりし,眼が小さく,前足に大きな爪をもち,地下生活に適している.

цокор алтайский,Myospalax myospalax
モグラネズミ(げっ歯目キヌゲネズミ科).体長25cm前後で,尾は短い.体は黄褐色.アルタイ,オビ川上流域の平野部や低山帯の草地に生息する.土壌の軟らかい所で地下に複雑な坑道を造って生活する.1年に1回,4〜5子を産む.植物の茎や根を食べ,秋に貯食する.

цокор северокитайский (= маньчжурский цокор),Myospalax psilurus ダウリアモグラネズミ.分布域の西部に生息するものを別種даурский цокор,Myospalax dybowskiiとする見解がある.

Ч

чубук = баран снежный

このページのトップに戻る

Ш

шакал,Canis aureus
ジャッカル(食肉目イヌ科).体長70〜80cm,尾は約20cm.吻部はとがる.体は黄褐色で,四肢はオレンジ色.カザフスタン中部,ザカフカス,中央アジアに分布し,森林,潅木林に生息する.洞窟や大木の根の陰を隠れ場に使う.1〜2月に交尾し,4〜5月に4〜8子を産む.夜行性で,げっ歯類,鳥,果実,動物の死体などを食べる.

широкоушка азиатская,Barbastella darjelingensis チチブコウモリ

широкоушка европейская,Barbastella barbastella
ヨーロッパチチブコウモリ(翼手目ヒナコウモリ科).体長5〜6cm,翼は長く,翼を開くと25cm前後.耳は幅広い.背側は黒褐色で,腹側は淡色.ヨーロッパ地方南部,カフカス,ザカフカスに分布する.日中は洞窟,鉱坑,岩の割れ目などに小群でおり,6〜7月に2子を生む.暗くなると飛び出して,森林や庭の木の周囲で昆虫を捕って食べる.冬には洞窟などで冬眠する.

Щ

Э

эйрисомный → лептосомный тип

Ю

Я

このページのトップに戻る